庭
庭(にわ)というものは住(す)まいの外(そと)にありながら、室内(しつない)の雰囲気(ふんいき)に少(すく)なからぬ影響(えいきょう)を与(あた)える住(す)まいの装置(そうち)である。たとえば居間(いま)などに座(すわ)って何気(なにげ)なく外(そと)に視線(しせん)を投(な)げるとき、そこにあるのが明(あか)るい芝生(しばふ)の広(ひろ)がりであるか、こんもりとした松(まつ)の茂(しげ)みであるかによって住(す)まいの気分(きぶん)はかなり異(こと)なるであろう。ぼくは親(おや)の庭先(にわさき)に家(いえ)を建(た)てて住(す)んでいるので自分(じぶん)の庭(にわ)と言(い)えるも[......]